都会の小さな秋。

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東京の真ん中
高い建物に挟まれて見る空はあまり広くなくて
最近太陽の姿をちゃんと見ていない気がする
けれど
地下鉄の出口から出て浴びる陽射しの加減の変化や
仕事の合間にぼんやりと眺める空の雲の形や
グンと澄んだ青い空の高さや
あっという間に変わっていく夕暮れの空や
9月には黄色かった実がいつの間にか真っ赤になって
ぶらさがっている様子を見て
都会でもちゃんとささやかながら
季節の移り変わりを感じられることを嬉しく思う

落ち葉の量が数日前から一気に増えて
掃き掃除が少し大変になったけれど
枯れ葉を掃く時の
シャラシャラシャラ カラカラカラという渇いた音
そして集まる枯れ葉の色とりどりさに
なんだかウキウキした気分になって
捨てるにはもったいなくて
掃いてはしゃがみ 掃いてはしゃがみ
きれいな枯れ葉集めをしていたら
赤や黄色や橙色に染まった枯れ葉で
あっという間に手が塞がる
そばではまた新たな落ち葉がカラカラと
小さなワルツを始める
場所がどこだろうがちゃんと木は生きていて
季節の移り変わりとともに
こんなにも素敵に色を変えたり
実をつけたり花を咲かせたり
当たり前のことなのに
とても美しいと思う

そしてたまに敷地内をヒョコヒョコと横切っていく
茶色や白黒のノラネコちゃん達
たまに立ち止まりこちらを見つめる
どこでも変わらぬその自由さを
またとてもほほえましく思う

(drawing:紅葉の下のはなうた鳥)
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すてきな人たちへ。

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わたしのまわりの魅力的な人は?と
聞かれたら困ってしまう
うーーんと考えて
みんな
と答えるとおもう
だってだれもかれもみんな違って
みんなすてきなんだもの!
思い浮かべる人みんなね
すごいよこれは!
昔から友だちの人たち
最近友だちになった人たち
一緒に汗を流した人たち
今一緒に働いてる人たち
一緒に住んでる人たち
お世話になってるあの人この人
仕事で出会った色んな子ども
色んな障碍を持った人
外国で出会ったあの人この人
それから家族兄弟じいちゃんばあちゃん

みんなどこかがキラリで
たのしくてやさしくて
おばかでかわいくておかしくてすばらしい
なんでこんな人ばかりなんだ?
すごいよ!ありがとうみんな!
わたしは幸せだなぁ

(drawing:Tさんの描いた絵@S学園)
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初秋の風。

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昼間の陽射しにはまだ少し強さが残るけれど
日が暮れる頃に頬をなでる風はヒンヤリとしていて
きっともうじきずっとぐっと寒くなるのだろう
そんな空気に満ちている

窓を開けた時 姿は見えないのに
どこからともなく漂って来た甘い香り
歩いていてハッとする程の甘い香り
道ばたの金木犀の木には
いつのまにか
たくさん橙色の小さな花が咲いていて
あぁ と足を止めて木を見上げる

羽織っていたカーディガンの袖をぐぐっと伸ばす
長袖を着るのがうれしい
寒くなる朝にもぐる温かな布団がうれしい
かぼちゃの煮物が食べたいななんて思いながら
ざわざわ商店街を抜け
自転車のペダルにグイと力を入れ
立ちこぎをしながら
胸いっぱいにヒンヤリとした空気を吸い込む

(photo:夕焼け空@横浜)
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青空ドーナツ。

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空の中のまるいドーナツ

ドーナツの中のまるい空

どちらもしあわせ

しあわせのまるいかたち

ぱくりとひとくち

まぁるいしあわせが

口の中に広がる

空とドーナツと私

ひとつ


ドーナツの穴から海をのぞく

まあるく切り取られた海と船と向こうの工業地帯

ドーナツで切り取られたまるい小さな世界は

とても平和だ

ドーナツの輪

平和の輪

(photo:ドーナツの時間@海の見える屋上)
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世界を知る方法。

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たとえば

手で触った感触や においや 感じる空気を
自分なりの言葉や擬音で表してみる

見た形や色だけでは表せないものを
そうやって言い表してみる楽しさを知った
そうするとずっと沢山の笑い声が起こる

その人なりの音で表してみる
耳たぶひとつをとっても色んな音が登場する
ぷぁんぷわわわぁん
むぃむぃむぃ
さわさわしゅるるー
ほぁほぁぁん


何それ〜?と言いつつ触ってみて
ホントだ!そんな感じ!と共感すると
さらに笑い声が増える
ものすごく愉快なこと

音で表す世界
音で知る世界
世界がずっと愉快に広がる気がした

たとえば

赤という色を知らなくても
りんごや トマトや 体を流れる血や ポストの色
そう言ってイメージするもの
全く違う形 手触りのもの達から想像するもの
正しくなくても
その人の頭の中でその人なりのイメージがあれば
それはそれでいいのだと思う

夕陽が熟した柿みたいにぽっかり見えるよ
ふわふわの綿あめがちぎれたような雲だよ
シュッとした秋刀魚みたいな雲が並んだ空だよ

そうやってその人の中にある
手で触れたことのあるものと
触れられないもの同士の
イメージが繋がり合うことも
とても素敵な楽しいことなのかもしれないと

形で表す世界
形で知る世界
世界がずっと愉快に広がる気がした

たとえば

一緒に歩いていてこんな会話がある
この駅で扉が開くといつもパンのいいにおいがするんだよ
あ、お花のいい香り、お花屋さんある?
美味しそうな親子丼のにおいがする!おそば屋さんかな?

そうやってにおいで街の中を知っていく
においで表す世界
においで知る世界
世界がずっと愉快に広がる気がした

そうだ
もうすぐ金木犀もにおい出す頃
その日がいつもより何だかずっと待ち遠しい
みんなで季節の移り変わりを感じながら味わえたら
とっても素敵だなと思う

(drawing:虹色世界のコトリちゃん)
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